仕事力

心に響く自己啓発

2024-01-01から1年間の記事一覧

厄介ごとではなく、恵まれているものを数える

僕は今月初旬に、日帰りの手術を受けました。手術を承諾した際、手術前・手術中・手術後の注意事項の数々を看護師さんから聞きました。とりわけ、術後の身体へのダメージがどの程度なのか、心配になりました。また、半年近く続けなければならない自宅でのセ…

井戸水のような思考

僕は小学生のころ、田舎で美味しいスイカを食べたことを覚えています。井戸の中で冷やしたスイカです。甘くて、しかも冷たいのです。当時の田舎には冷蔵庫がありませんでした。井戸が冷蔵庫の代わりになっていました。 ちなみに、都会でも電気で冷やす冷蔵庫…

リフレーミングとは?

リフレーミングとは、フレーム(物事の枠組み)をリフレーム(組み直す)することです。物事を見る視点を変えると、別の枠組みに捉え直すことができます。つまり、デメリットやネガティブなものが捉える枠組みを変えることによって、メリットやポジティブな…

「完全版 上杉鷹山」を読んで

書名:完全版 上杉鷹山(ウエスギ ヨウザン) 著者:童門冬二 出版社:PHPエディターズ・グループ 出版年:2019年 この著書は、山形新聞に連載された「小説 上杉鷹山」、ビジネス書「上杉鷹山の経営学」、追筆された「再考・上杉鷹山」の3部で構成されて…

教えるということは?

先日、ある官庁が主催するセミナーに出席しました。大きな会場は満席でした。今までよくわからなかったことを身につけよう、役に立つだろうと考えていました。このセミナーを作戦会議ととらえ、僕はやる気満々でした。 しかし、講師の方々は正しいことを説明…

8割の生き方

100%のがんばりというのは、果たして適切な生き方なのでしょうか。 一生懸命がんばる姿を見て人は、美しいと感じることがありましょう。また、応援したくなる気分になることもあるでしょう。 しかしながら、目一杯がんばる姿に接して、息苦しくなること…

夫婦円満の秘訣

2024年5月25日のヤフーニュースで、DAIGOさんは夫婦円満の秘訣を語っています。それは、DAI語で「OY」、すなわち「思いやり」です。結婚9年目で、お幸せそうです。 一方、デール・カーネギーさんは彼の著書「人を動かす」(創元社 1958年…

「ひよっこ社労士のヒナコ」を読んで

書名:ひよっこ社労士のヒナコ 著者:水生大海(みずき ひろみ) 出版社:文春文庫 出版年:2019年 書名にある「社労士」とは、社会保険労務士(国家資格)の略称で、社会保険や年金、労務管理、雇用調整助成金などの手続きをする専門家です。主人公の女性は…

苦難は逃げないで受け止めるべきか?

作家の佐藤愛子さんは、42歳の時、苦難に巻き込まれたそうです。佐藤さんの著書「人生は美しいことだけ憶えていればいい」(PHP研究所 2019年)を拝読してそのことを知りました。 かつてのご主人がその日いつになく、早く帰宅しました。せかせかとした…

物事の本質に接近する

池上彰さんの著書、「わかりやすさの罠」(集英社新書 2019年)を拝読しました。著者は社会情勢やニュースなどをわかりやすく解説することに定評がありますが、その著者が自ら「わかりやすさ」には罠があるとおっしゃっています。 郵政民営化は本当に財政再…

「流」を読んで

書名:流(りゅう) 著者:東山彰良 出版社:講談社 出版年:2015年 この著書は、1970年代から80年代にかけて主に台湾を舞台とした小説です。主人公の祖父は戦乱の時代、中国大陸で多くの人々を殺しました。多くの人がかたきを討ちたいと憎んでいまし…

価格の不思議

経済学者、吉本佳生さんの著書「スタバではグランデを買え!」(ダイヤモンド社 2007年)を拝読しました。2007年の本なので情報は古いですが、なるほどと感心することが多い経済書です。 当時のスターバックス(通称スタバ)では、ショートサイズ(24…

「労働Gメンが来る!」を読んで

書名:労働Gメンが来る! 著者:上野歩 出版社:光文社文庫 出版年:2021年 題名の労働Gメンというのは、労働基準監督官のことを指しています。この著書は、銀行を退職後、新任で労基署に入職した女性労働基準監督官の約1年間の物語です。労基署における…

「白村江」を読んで

書名:白村江 著者:荒山徹 出版社:PHP文芸文庫 出版年:2020年 白村江の戦いは西暦668年に起こりました。倭国が旧百済勢力による百済再興を支援するために大軍を派遣したが、唐・新羅連合軍に大敗したとされています。 この著書は、白村江の戦いが勃…

事前準備はするが、取り越し苦労はしない

事前準備と取り越し苦労は、似て非なるものです。 角川国語辞典によりますと、取り越し苦労とは「将来のことについて、よけいな心配をすること」と記されています。状況確認が不十分なのに「こんな問題が起きたらどうしよう、失敗したらどうしよう」と取り越…

飲食店における「車の両輪」

南インド料理店の総料理長、稲田俊輔さんの著書「お客さん物語」(新潮新書 2023年)を拝読しました。 著者は、料理人であると同時に、他店で楽しむこともモットーにしておられます。ある繁盛している創作居酒屋を訪れました。 しかし、さほど美味しい料理で…

新しい職場になじむためには

新卒入社、転勤、転職で新しい職場に就くと、最初は苦労することが多いにあると思います。 職場にいる人たちにとって、自分という人間がどんな性格でどんな考え方でどんな能力の持ち主なのか、未知の存在だからです。つまり、信頼性がないのです。信頼されて…

人を励ますウソ

3月20日(水)にEテレで「最後の講義『落語家 桂文枝』」という番組が放送されました。文枝さんが語るエピソードは、面白くて教訓になるものでした。 なかでも、医学部1年生の方の質問に対する文枝さんの経験談には驚きました。 質問の要点は次のとおり…

「田村はまだか」を読んで

書名:田村はまだか 著者:朝倉かすみ 出版社:光文社文庫 出版年:2010年 先月拝読した「一万円選書」(岩田徹 著)に紹介されている著書です。 札幌、すすきのの狭い小路にある面積10坪くらいのスナック・バーが物語の主な舞台です。その夜そのバーには…

「あのー」「えー」の意外な効用

先日BS放送で、だいぶ前に収録された松竹新喜劇を鑑賞しました。喜劇役者で有名な藤山寛美さんが、意外にもセリフの中で「あのー」をよく使っておられることに気づきました。ところが、劇場にいるお客さんはそういうことには気づかないくらい楽しんでおら…

チャンスをものにするためには

出口治明さんは1948年に生まれ、日本生命で長年ご活躍され、2008年ライフネット生命を設立され、2018年立命館アジア太平洋大学の学長に就任されました。まさに還暦で創業、古希で学長です。日本生命でも海外現地法人社長や本社部長を務められま…

日本型年功制の是非

先日もテレビのニュース番組で、成果や実力に基づいた人事制度に切り替えるべきだと語る解説者がいました。こ��考え方は、従来の年功制を否定するものです。 ちょっと古い本ですが、高橋伸夫さんの著書「できる社員は『やり過ごす』」(日経ビジネス人文庫 2…

不合理な意思決定

経営学者の高橋伸夫さんの著書「組織力」(ちくま新書 2010年)を拝読して、現実の意思決定の不合理さになるほどと感心しました。著者は第1章の冒頭でこう述べています。 人生は、勢いでしか決められない「重大な意思決定」と熟慮に基づいた「つまらない意…

「一万円選書」に思うこと

北海道の田舎町にある小さな書店の店主、岩田徹さんの著書「一万円選書」(ポプラ新書 2021年)を拝読しました。所在地は人口1万6千人の砂川市で、書店名はいわた書店です。 「一万円選書」とはどういうものか、まず概略を説明いたします。 お客さんから事…

「安物買いの銭失い」と言われない商売

100円ショップ「ダイソー」の創業者、矢野博丈さんが、2024年2月12日に80歳でお亡くなりになりました。2月20日のダイヤモンド・オンラインで、同氏が生前に寄稿した記事が公開されました。記事名は「【追悼】ダイソー創業者・矢野博丈氏『自…

アサーティブとは?

自己表現の態度にはアグレッシブ、ノンアサーティブ、アサーティブの三つのタイプがあると言われています。 第一のアグレッシブとは、自分の気持ちや意見を一方的に主張する攻撃的な自己表現で、良好な人間関係を築きにくい傾向にあります。 第二のノンアサ…

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読んで

書名:ナミヤ雑貨店の奇蹟 著者:東野圭吾 出版社:角川文庫 出版年:2014年 図書館でたまたま手にとったのがこの著書です。この著書を原作とした映画はだいぶ前に見たことがありますが、東野さんの著書を拝読するのは初めてです、。テンポよく読めるわかり…

「地下鉄(メトロ)に乗って」を読んで

書名:地下鉄(メトロ)に乗って 著者:浅田次郎 出版社:講談社文庫 出版年:1999年 メトロがあたかもタイムトンネルのようです。出口につながる階段を上り地上に出ると、そこは過去の世界です。夢を見て過去の世界にさかのぼることもありました。戦前、戦…

「深みのある人」とは?

明治大学教授、齋藤孝さんの著書「『深みのある人』がやっていること」(朝日新書 2023年)を拝読しました。冒険家、植村直己さんの顔写真のことから始まり、その笑顔を見て彼こそが「深みのある人」だと述べられています。 フードですっぽりと覆った中に、…

「羊と鋼の森」を読んで

書名:羊と鋼の森 著者:宮下奈都(みやした なつ) 出版社:文春文庫 出版年:2018年 主人公は北海道の山間部で生まれ育った青年です。高校2年の時、たまたまピアノの調律作業の素晴らしさを目の当たりにして、ピアノ調律師に魅せられました。高校卒業後、…