柚葉梅の好きなもの語り

新しいものとの出会いに一喜一憂した記録

映画『オペラ座の怪人』人生初鑑賞

2024年6月14日より公開していたオペラ座の怪人 4Kデジタルリマスター』を数週間前に見てきたので、簡単になりますがその時の感想を語りたいと思います。

ちなみに筆者は舞台『オペラ座の怪人』の観劇経験なし、映画も初見の、「ミリしら状態」で映画館へ行ったのでそこだけご了承ください。

 

最初、クリスティーヌに共感しきれなかったが、、、

なぜクリスティーヌがファントムを無下にしきれないのか、しばらく理解できないまま進みました。「絶対ラウルいいやつだしイケメンじゃん」と。

ですがそれは、

  • クリスティーヌの人生にとって音楽がどれだけ重大な意味を持っているのか
  • クリスティーヌの音楽を飛躍させるのにファントムがどれだけの貢献をしたか、音楽レッスンの間どのような時間が流れていたか

を脳内補完したら理解できました。

劇中では描かれない、クリスティーヌと音楽の天使=ファントムのレッスンの様子も気になってくる所です。

 

なぜ『The Phantom of the Opera』がオペラ座っぽくない曲調なのか少しわかった気がする

作品自体は初めての鑑賞だったのですが、テーマ曲は耳にする機会がありました。その度に、「オルガンやオーケストラの音は入ってるけど、オペラ座っぽいクラシカルな雰囲気ではなく、どこかロックやポップスっぽさを感じる曲だ」となんとなく思っていたのですが、これって「オペラ座」と名のつく作品の表題曲としては少し不思議じゃないですか?

 

ですが、映画を見てその考えも変わりました。

「もしかしたら、劇場というクラシカルな環境でずっと過ごしてきたヒロインにとっての『神秘的・未知のもの』としてファントムを表現する意図で、ロックっぽさ・電子楽器のサウンドが使われているのかもしれない」というのが今の私の考えです。「神秘的・未知のもの」が持つ魅力を音楽の面から描き出すことで、ファントムの魅力がさらに立ち上がってくるように感じました。

 

人間関係に妄想が膨らむ ※本編のネタバレを含む

私は、個人間の関係性から生まれるドラマにトキメキを感じる、いわゆる「関係性オタク」の気があるのですが、その点『オペラ座の怪人』は個人間の関係性それぞれに旨味の多い作品だと感じました!

クリスティーヌとラウルのドキドキする王道ロマンス

クリスティーヌとファントムの不思議な愛が形づくる奇妙な美しさ

といった定番から、

クリスティーヌとメグの姉妹のような友情関係や、

ラウルとマダム・ジリーの、ファントムを追う者/庇う者という対立構造に、クリスティーヌという存在が嫁姑ならぬ婿姑のような構造をプラスしている関係性など、

それぞれにそれぞれのドラマが楽しめました。

 

中でも私が盛り上がったのが、ファントムとマダム・ジリーの関係性です。

幼少期、サーカスに囚われていたファントムをマダム・ジリーがオペラ座に匿うところから、ファントムのオペラ座での暗躍が始まるのですが、2人の幼さと共犯関係がアンバランスに共存している当時の回想シーンにはくるものがありました。

そして、回想シーン当時は対等、あるいは庇っている分ジリーの方が上の立場にあった2人の関係性が、時が経つに連れファントムに逆らえないマダム・ジリー、という構図になっているところにドラマを感じました。

屈伏は屈伏でも、「『ファントムには絶対に逆らえない、止めようとしても止められない』と幼い頃から理解している」という点でジリーは長年ファントムの理解者だったのかもしれない、、、

 

2人でサイドストーリーがガッツリ作れそうですね。

 

終わりに

人間同士のやり取りがそれぞれ色濃いのが私の好きポイントでした。

そして、わかりきっていることかもしれませんが曲が良い。曲単体では、華やか!ミュージカル!って気分にさせてくれるので『Masquerade』が結構好きでした。