比較一覧表の作成例

この記事は、「みんなで書こうよ、ファンレター(改訂版) ~第七編・プレゼントの選び方~」に関連して、選び方を記載した比較一覧表の作成に関する事項を記載しています。

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比較一覧表の具体的な作成例として、加湿器を主題にしてみます。

作り方その1.何を比較するのか

比較一覧表を作る場合、まずは「何を比較するのか」を検討します。今回の作成例である加湿器の場��、大きく分けて

  • 具体的な製品名は挙げずに、中身の仕組みを比較
  • 製品を具体的に決めて、製品同士を比較

の二通りが考えられます。

比較一覧表を読む人の予算が正確に分かるなら、二番目の具体的な製品同士の比較で良いと思いますが、予算や購入先が不明な場合は、一番目の中身の仕組みを比較した一覧表が作りやすいでしょう。

今回の場合、中身の仕組みを比較するのであれば、下記に示す加湿方式を比較すると書きやすくなります。

  • 蒸気式
  • 気化式
  • 超音波式

作り方その2.比較する項目

中身の仕組みを比較するとして、どんな事を比較すれば良いのでしょうか。内容が細かすぎても大雑把すぎても意図が伝わりません。

比較する項目を決めていく場合、加湿器を使う人にとって大きく気になる項目が何なのか?を考えると、決めやすいでしょう。今回の作成例である加湿器の場合、気になるのは、

  • 加湿能力
  • 室温への影響
  • 消費電力
  • 騒音
  • 保守性

この辺りの項目でしょうか。なお、具体的な製品同士の比較ではないので、価格の比較は敢えて省略しています。

作り方その3.評価の記載方法

比較一覧表ならば、評価を記載したいところです。

加湿器の仕組みを比較する場合、厳密には製品毎に評価の違いが出てきます。その為、具体的な数値を記載して比較一覧表をまとめる事は困難と言えます。しかし、「大よその傾向がどうなっているのか」という観点でまとめる事は出来る筈です。

そこで、評価は○×△程度で大よその傾向を記載すると、比較一覧表を読む人にとっては分かりやすいですし、比較一覧表を作る側にとっては作りやすくなります。

作り方その4.備考欄

評価は分かりやすさを考えると、全て○×△で表現するのが一番理想的です。しかし、現実には文章で条件を書き足さないとうまく伝わらない事が往々にして有ります。

今回の場合、例えば騒音は気化式だと送風ファンの有無で評価が真逆になります。こういった部分については、比較一覧表へ備考欄を作って記載すると良いでしょう。

作り方その5.組版

比較一覧表を構成する要素が決まったら、用紙サイズ(一般的にはA4かA3サイズと思います)を決めて、比較一覧表を具体的に作っていきます。読みやすい表や文章を作る事を考えた時、言い回しや文字の大きさは気にすると思いますが、そのほかの調整は意外と忘れがちです。

細かい事を書き始めるとそれだけでそれなりの厚さがある書籍が出来てしまいますので、基本的な考え方を箇条書きで挙げておきます。

  • 縦方向と横方向は、中途半端にズレた状態を作らない

例えば、一覧表中の罫線または一覧表と並んで記載した文章の位置が、意味もなく左右または上下にズレた状態だと、読む時にいちいち視線の位置をズラさなくてはならないので、結果的に見辛くなります。

  • 様式や書体(フォント)、色などは、用いる種類を出来るだけ少なくして統一する

例えば、書体や色の種類を多数用いる場合、スッキリとした印象にまとめるのがとても難しくなり、結果的に見辛くなります。

  • 書体は、可読性が高く縦書きに向いている明朝体か、視認性が高く横書きに向いているゴシック体の何れかを用いて、10.5ptから14pt程度の大きさとする

文章の場合、あまり変わった書体を用いると読みづらくなります。出来るだけ明朝体かゴシック体を用いた上で、文章量も加味して文字の大きさを決めると良いでしょう。可能であれば、UD仕様の書体にするとなお良くなります。

書体と印刷機の相性によっては、印刷時に文字が潰れたり逆に細い部分が掠れて読みにくい事が有るので、印刷した現物を見て確かめておく事も忘れてはいけません。

  • 文字色と背景色は、輝度比を意識する

文字色と背景色の輝度比が適切でないと、これも読みづらくなります。

詳細については、本局の「サイン計画の謎」を参照して下さい。

shiuntenlos.ie-yasu.com

  • 見出しは本文よりも大きめに設定するが、比率は黄金比(1:1.618)や白銀比(1:1.414)を意識する

見出しは大きめに設定する事が一般的ですが、これはDTP組版と呼ばれる分野だと、「ジャンプ率」という考え方が有るそうです。なお、黄金比白銀比などの比率は、見出しに限らず写真を複数枚並べる際もジャンプ率の考え方と共に応用可能です。

  • 行間や字間は適切な空白を設定する

文字はあまり詰めすぎても空けすぎても、読み辛くなります。行間は文字大きさの50%から100%程度、字間は文字大きさの5%から10%程度が良いとされています。

  • 文章は均等詰めとした上で、一行辺りの文字数をおおよそ30字を基準に25字から40字程度の間で調整すると良い

一行辺りの文字数は、あまり視線や頭をズラす事なく読める方が快適に文章を読めます。その為、文字数を調整して適宜折り返す様な体裁を整えましょう。

  • 文章の言い回しは、出来るだけ平易にする

例えばですが、うっかり専門用語で書いてしまうと意味が伝わらなくなります。

作り方その6.補足説明

加湿器の加湿方式を比較するという事で、比較一覧表には蒸気式や気化式、超音波式と書きました。しかし、この各方式は比較一覧表を読んだだけでは名前は分かっても具体的な仕組みが分かりません。

そこで、比較一覧表を補足する別添資料も作成しましょう。今回の場合、用紙がA3サイズですから、上下、または左右で比較一覧表と各方式の特徴に関する補足説明を記載すると良いでしょう。

比較一覧表の作成例

実際の作成例を以下に示します。
加湿器 比較一覧表(Word形式)