電脳塵芥

四方山雑記

Xで場所を「中国」にしたらトレンドに「石丸」や「蓮舫」が出たから「中国から工作」は苦しいのでは


https://x.com/0ne0saka/status/1804799305976582232


https://x.com/0ne0saka/status/1804827008813433106

 記録がてら。Xは検索欄の「歯車」を押下することによってトレンドなどを別の国や場所に変更することが可能になっている。基本は「日本」だけど、ここを「中国」にしたら「池袋駅東口」などが出た、つまりは「中国」で「トレンドになるほどに投稿されている」から「中国の工作」だ、というのが冒頭の逢坂一なるアカウントの主張となる。

まず前提として中華人民共和国においてはグレートファイアウォール(金盾)によりXへのアクセスは基本的にできない様になっている。VPNを使用するなどの抜け道はあるが、そもそも通常の手段では金盾によってアクセスできない為に「中国のトレンド」をX側が正常に取得して反映されているとは思われない。また金盾を避けるためのVPN使用者のワードが「中国のトレンド」に反映もされないだろう。そして冒頭の画像内のトレンドだが「中国」のトレンドにも拘らず簡体字が一切存在しない時点でこのトレンドを「中国のトレンド」と考えるのは甚だ微妙であるし、また「工作」というには「自動車保険」であったり、「レンタカー」があったりとトレンドワードにしては変なものが混じっている。ちなみに画像内のトレンドに入っている「#nature」は自然の写真に付けられるハッシュタグだが、「#andaanunta 」はタイのアーティストであってハッシュタグを見てもタイ語での投稿が目立つ。要は「中国のトレンド」というが、そもそも表示自体がおかしい。
 ちなみに以下の画像は26日の16時ごろに撮ったスクショだが、トレンドは三位までしか存在しない。一位の「#JamesSu」はこれまたタイの俳優になる。

なお上記とは別のアカウントで同様の検索を行うと二位以下は消えてトレンドは一つだけになる。これは使用アカウントによるトレンドの「カスタマイズ」が発生しているのだろう。

ついでにこれは同時刻の台湾のトレンドだが、こちらも「台湾のトレンド」を示しているとは到底思えない。

さらには適当にアゼルバイジャン

こちらもトレンド機能が機能しているとはおもえない。おそらくだが中国などのXの使用者が少ない地域のトレンドは機能不全に陥ってるのではないか。また場所を「アメリカ合衆国」に設定するとそれっぽい「アメリカのトレンド」が出ている様には見えるが、しかしながら世界中のトレンドが見えるサイトの「twittrend」とはランキングに違いが生じていることが確認できる(ちなみに「中国」は利用者が少ないためかtwittrend内にランキングは存在しない)。

事程左様に「トレンド」は結構人によって変容がある機能であって、例えば日本で言えばX内の「トレンド」とyahooリアルタイム検索による「トレンド」でも差異が生じる。これはXのトレンドが位置情報やフォロー、アカウント主の使用傾向にトレンドがカスタマイズされることがあるからだろう。ちなみに冒頭の話自体は逢坂一が発端ではなく、21日に都知事候補のひまそらあかね氏が投稿し、その後にまったりくんなどで紹介されるなどして右派界隈にこの言説が広まった模様だ。


https://twitter.com/himasoraakane/status/1803810561995739513

日本在住で該当の話題、今回に限っていれば政治、選挙の投稿頻度が多い状態でXの利用人数が少ない国のトレンド欄に行くと機能不全のトレンドの中にそういったキーワードが出てしまうのではないのかなと。現状では実証が足らずに、これを「中国の工作」的に言うのは陰謀論の域を出ない。

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