東京が「世界でいちばん魅力的な都市」になるために足りない、たった1つのこと【入山章栄・音声付】

経営理論でイシューを語ろう

ian/Unsplash

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

人口減少のただなかにある日本。人口増が続いていた東京もついに減少へと転じたと聞くと暗い気持ちになりますが、実はそんな東京が「世界で最も魅力的な都市になりつつある」という説も。入山先生もこの意見に多少同意しつつ、東京にはクリアしなければならない「最大の課題」があると指摘します。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:9分51秒)※クリックすると音声が流れます


東京は世界でいちばん魅力的な都市

こんにちは、入山章栄です。

コロナをきっかけに、東京から離れる人が増えたといわれています。僕のまわりでも、地方に移住した人がちらほら出てきています。

ところがそんな東京が意外にも、いま「世界でいちばん魅力的な都市」になりつつあるという視点もあるのだとか。いったいどういうことでしょうか。


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BIJ編集部・常盤

日本全体の人口が減るなかでも東京だけは人口増が続いていましたが、先ごろ発表された総務省の統計によれば、コロナの影響もあってついに東京も26年ぶりに減少に転じたそうです。

そう聞くと「東京ももう終わりか」と思ってしまうのですが、先日、原田曜平さんの『寡欲都市 TOKYO』を読んで、ちょっと考えが変わりました。原田さんは「実は東京は世界で最も魅力的な都市になりつつある」とおっしゃっているんです。


原田曜平さんというと、博報堂出身で、若者の消費行動に詳しいマーケターの方ですね。


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BIJ編集部・常盤

そうです。日本は国単位のGDP(国内総生産)で比較すると世界3位、一人あたりGDPでは24位ですが、都市ごとのGRP(域内総生産)という基準で比較すると、東京都市圏は人口3562万人、GRPは1兆6521億2400万USドルで、世界1位なのだそうです。


ちなみに他の都市は、どれくらいですか?

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